TQQQと現金を半分ずつ、毎年戻すと
TQQQを半分、現金(ドルのMMFなど)を半分持ち、年に1回、50%ずつに戻す。3倍の値動きを抑えながら使うやり方として、SNSでもよく見かけます。始める時期が悪くても大丈夫なのか。大きな下げの前や高値から始めた場合を中心に計算しました。
計算のしかた
ナスダック100の3倍は、QQQの毎日の値動きを3倍した値です(2010年からは実際のTQQQの値も並べます)。年1%の経費と、借りて増やした分の金利(3か月の米国債の金利)を引いています。現金には同じ金利がつくとしました。持ち方は4つです。1倍を持ち続ける、3倍を持ち続ける、3倍と現金を半分ずつにして毎年1回戻す、毎月1回戻す。
2000年のドットコムの下げの前(1999年4月〜2026年9月)
3倍を持ち続ける: 3.0倍(年率4.1%)。最大下落は−99.98%(2000年3月〜2009年3月)。
半分ずつ・毎年戻す: 70.3倍(年率16.7%)。最大下落は−86.2%(2000年3月〜2003年3月)。
半分ずつ・毎月戻す: 18.8倍(年率11.2%)。最大下落は−94.6%。
ナスダック100(1倍): 16.7倍(年率10.8%)。最大下落は−83.0%。
リーマンショックの前の高値(2007年11月〜2026年9月)
3倍を持ち続ける: 104.2倍(年率27.8%)、最大下落は−94.5%。
半分ずつ・毎年戻す: 51.7倍(年率23.2%)、最大下落は−61.5%。
半分ずつ・毎月戻す: 31.6倍(年率20.0%)、最大下落は−70.3%。
ナスダック100(1倍): 15.7倍(年率15.7%)、最大下落は−53.4%。
実際のTQQQで(2010年3月〜2026年9月)
持ち続ける: 353.8倍(年率42.4%)、最大下落は−81.7%。半分ずつ・毎年戻す: 53.9倍(年率27.2%)、最大下落は−41.4%。半分ずつ・毎月戻す: 43.1倍(年率25.5%)、最大下落は−52.0%。
S&P500の3倍で、さらに長く
1960年1月〜(経費と金利あり): 3倍を持ち続ける 12.8倍(年率3.9%、最大下落−98.7%)、半分ずつ・毎年戻す 134.4倍(年率7.6%、最大下落−72.0%)、毎月戻す 107.1倍(年率7.3%、最大下落−81.3%)、1倍 127.8倍(年率7.5%、最大下落−56.8%)。
大恐慌の前の高値 1929年9月〜(3倍は費用なし・現金の利息0で計算): 3倍を持ち続ける 330.7倍(年率6.2%、最大下落−99.98%)、半分ずつ・毎年戻す 2,141.1倍(年率8.2%、最大下落−90.2%)、毎月戻す 1,214.1倍(年率7.6%、最大下落−94.5%)、1倍 241.3倍(年率5.8%、最大下落−86.2%)。
わかること
どの期間でも、半分ずつにして毎年戻す形は、毎月戻す形より増え、最大下落も浅くなりました。

2000年のドットコムの下げを含む1999年4月からの期間、1929年の高値から始めた期間、経費と金利を入れた1960年からの期間では、毎年戻す形は3倍を持ち続けるより大きく増えました。リーマン前の高値からと2010年からでは、3倍を持ち続ける方が増え、そのかわり最大下落は−80%を超えています。
半分を現金にしても、2000年からの下げでは−86.2%、1929年からの下げでは−90.2%まで下げました。半分ずつにすれば深い谷がなくなる、というわけではありません。
3倍の商品を長く持つと何が起きるかは「S&P500の3倍を1928年から」「レバレッジETFを長期保有すると何が起きるか」、リバランスの決め方は「リバランスのやり方」にまとめました。
半分を現金にするのは、持つ割合で守る方法です。もう1つ、攻めるべき時と守るべき時をルールで判断する方法があります。デュアルモメンタムは、勢いの強い資産で攻め、勢いが無い時は守りの資産に移る、月1回のルールの投資法です。自分でデータを集めて毎月判定するのは手間がかかりますが、DM-Signalでは、この考え方と3倍レバレッジを組み合わせたポートフォリオのシグナルと過去の検証を、そのまま使えます。
DM-Signalの仕組みと研究を見る → ・ デュアルモメンタム×3倍レバレッジとの比較を見る →
関連するガイド
S&P500の3倍を1928年から ・ レバレッジETFを長期保有すると何が起きるか ・ リバランスのやり方 ・ TQQQとは
3倍は毎日の値動きを3倍して計算した値(2010年3月からの「実際のTQQQ」の行を除く)。QQQ・TQQQは配当込みの調整済みの値、S&P500は配当を含まない指数の値です。経費は年1%、金利は3か月の米国債の金利で、1929年9月からの行だけは費用と現金の利息を入れていません。毎年は各年の最初の取引日、毎月は各月の最初の取引日の終値で50%ずつに戻しています。税・売買の手数料は入れていません。最大下落は日々の値で測っています。