シャープレシオ・カルマーレシオとは
年率のリターンだけを比べると、値動きが大きく谷が深い物ほど良く見えます。そこで、リスクあたりのリターンを測るのがシャープレシオとカルマーレシオです。
シャープレシオ
シャープレシオは、リターンを値動きの大きさ(標準偏差)で割った値です。正式には、リターンから無リスク金利(短期の国債の利回りなど)を引いてから割ります。
式: (年率のリターン − 無リスク金利) ÷ 年率の値動きの大きさ
カルマーレシオ
カルマーレシオは、年率のリターンを最大ドローダウン(高値からいちばん下げた幅)で割った値です。持っている人が実際に耐えなければならない谷の深さに対して、どれだけ増えたかを見ます。
式: 年率のリターン ÷ 最大ドローダウンの大きさ
最大ドローダウンの数え方は「最大ドローダウンとは」にまとめました。
主なETFの10年の値(2016年9月〜2026年8月)
SPY: 年率15.2%、最大ドローダウン−23.8%、カルマー0.64、シャープ0.96。
QQQ: 年率20.6%、−33.7%、カルマー0.61、シャープ1.04。
QLD(ナスダック100の2倍): 年率32.8%、−61.9%、カルマー0.53、シャープ0.90。
TQQQ(ナスダック100の3倍): 年率39.8%、−80.1%、カルマー0.50、シャープ0.85。
SPXL(S&P500の3倍): 年率28.9%、−66.7%、カルマー0.43、シャープ0.79。
わかること
倍率を上げると年率は上がりました。一方で、カルマーもシャープも、倍にしないSPY・QQQより下がっています。3倍にすると、増え方以上に谷と値動きが大きくなったということです。
1928年からのS&P500を使った研究でも、2倍・3倍を持ち続けるとシャープレシオは倍にしない場合より下がりました。その研究は「デュアルモメンタムとレバレッジ」で紹介しています。
比率は期間で変わります。大きな下げを含む長い期間で比べ、1つの数字だけで決めないことが大切です。
バックテストの指標の読み方は「Portfolio Visualizerの使い方」にもまとめました。
DM-Signalが公開しているデュアルモメンタム×3倍レバレッジのポートフォリオは、2016年9月〜2026年8月のバックテストで、年率61.3%、最大下落−33.7%で、カルマーは約1.8でした。デュアルモメンタムは、勢いの強い資産で攻め、勢いが無い時は守りの資産に移る、月1回のルールの投資法です。

カルマーのような指標を、自分の運用で毎月計算し直して確かめるのは手間がかかります。DM-Signalでは、ポートフォリオごとの指標と毎月のシグナルを、Webアプリでそのまま確認できます。
DM-Signalの仕組みと研究を見る → ・ デュアルモメンタム×3倍レバレッジとの比較を見る →
関連するガイド
最大ドローダウンとは ・ Portfolio Visualizerの使い方 ・ デュアルモメンタムとレバレッジ ・ 3倍・2倍レバレッジETFの一覧
2016年9月〜2026年8月の各月の最初の取引日の終値どうしで計算し、手数料・税・為替は入れていません。カルマーは年率÷最大ドローダウン。シャープは月次の騰落率の平均×12を、月次の標準偏差×√12で割った値で、無リスク金利は0として計算しました(正式な値はもう少し低くなります)。