未来の情報の混入(ルックアヘッド)とは
バックテストで、判断の時点にはまだ分からなかった値を、うっかり使ってしまうこと。これを未来の情報の混入(ルックアヘッドバイアス)と言います。結果は実際より大きく良く見えます。
例: S&P500の移動平均のルール
ルール: 月の初めに、S&P500(SPY)の値が直近10か月の平均より上なら、その月はSPYを持つ。下なら持たない(現金)。
正しい計算では、月の初めに分かっている値だけで判断します。混入のある計算では、同じ判断を「その月の終わりの値」で行います。つまり、1か月先をのぞいてから、その月を持つか決めています。
1993年11月からの100万円(2026年9月まで)
持ち続けた場合: 2,915万円(年率10.8%)。高値からいちばん下げたのは−51.3%。
ルールを正しく計算: 1,955万円(年率9.5%)。−23.5%。
1か月先をのぞいて計算: 2億8,791万円(年率18.8%)。−8.0%。

持っていた月の数は、どちらも394か月中306か月です。同じルールの判断を1か月早く知っていただけで、結果は約15倍に見えました。
よくある混入
- 月の終わりの値で判断し、その月の初めから持ったことにする。
- 後から直された経済の数字を、発表された当時の数字として使う。
- 今ある銘柄だけで過去を試す(途中でなくなった銘柄を入れていない)。
- 全部の期間を見て決めた設定を、その期間の初めから使っていたことにする。
確かめ方
売り買いの日ごとに、「この日に、この値は分かっていたか」を確かめます。判断に使う値の日付と、売り買いの日付を表に並べると見つけやすくなります。
結果が良すぎる時は、まず混入を疑います。
試す手順は「バックテストのやり方」、考え方は「バックテストは意味がないのか」にまとめました。
DM-Signalは、当時公開したシグナルの記録を、あとでデータを計算し直しても書き換えません。検証の手順も公開しています。
関連するガイド
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SPYの月初の始値どうしで計算し、現金の利息・手数料・税・為替は入れていません。移動平均は月初の始値の10か月分です。